IDEMITSU IHATOVE TRIAL

イーハトーブ新聞

イーハトーブ新聞 2012 vol. 3
出光イーハトーブトライアル大会通信

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 おかげさまで第36回出光イーハトーブトライアルも楽しく終わり、もう岩手は秋風が吹いて朝晩は冷え込むようになりました。来週、クラシックコースの後見(コース、セクションの荒れ具合チェックや、地元の方々に問題がなかったかを効いて回る)が終われば、実行団にとっての大会終了となります。より良い次回のためのイーハトーブ新聞第三号、まずはネリ・ブドリ担当の石山洋治の思いをお読みください。
 (萬爺)

あまり書きたくない話ですが・・・戻る

 もしかするとネリ・ブドリに参加された204名のうち203名の方には関係のない話かもしれないのですが、ちょっと思うところがあり書いてみます。
 それは昼食時間前の田山ドライブインでのこと。10時ちょっとすぎ、その選手は全体2番目の早さで到着したそうです。
 公式通知で「今年もランチでの出発時間制限(コントロール)は行いませんが、田山ドライブインでの昼食提供は10:30~を予定しており、それより早く到着しても昼食提供はできません。」とお伝えしていましたし、実際田山ドライブインさんにもそのようにお願いしていましたので、その選手には少しお待ちいただくようにお話されたそうです。そうしたら「なぜ早く出せないっ!」とのやりとりに・・・なぜこの選手はそういう発言をしたのか・・・この話を聞いて私は理解できませんでした。一番最初に到着した他のブドリ選手は「公式通知読んだから知ってますよ」と了解いただいたというのに。
 田山でランチコントロールを止めたのは、渋滞を避けて早回りしたい選手をわざわざ停めてしまわないでどんどん先にいってもらおう、そのかわり昼食準備にも都合があるので公式通知で提供時間をお知らせしようとしたものです。百歩譲って、「チケット販売時には到着予定時間がわからないじゃないか」という指摘もあるかもしれません。それについては、移動の早い方は自分で計算してチケットを買わないはずという私の読みの甘さもあったかもしれません。ただ上記のやりとりをした田山ドライブイン・川又さんは、「イーハトーブは自分たちも“お祭り”として楽しくやってきたが、初めてこういうやりとりになってショックだった。その後の気持ちが萎えてしまって、あとで到着した選手の方々に迷惑をかけたかもしれない」とおっしゃっていました。確かに選手のみなさんはエントリーフィを払って大会に参加しますから、大会側の「お客様」かもしれません。ここ24年間は「出光興産」というりっぱな企業が冠協賛をしていただいており、選手の方からみればほかにはない「特別感」があることは間違いないでしょう。しかし、「特別感」はあっても選手は「特別扱い」されているのではないことを、もう一度ここでお互いに確認しておきたいのです。ご存知ない方のためにあらためて書きますが、1977年に万澤会長・成田副会長がイーハトーブトライアルをはじめた目的は「日本でトライアルスポーツの火を消さない」ためです。そして「トライアルを快適に楽しめるオートバイを市場に復活させる」ことでした。一度消えかかった日本のトライアルスポーツはイーハトーブによって守られ、その後市場にはTL125SBの復刻登場、TLR200やTY250Sの新規開発と発売、海外製高性能トライアルバイクの市場参入、そしてイーハトーブを模した地域興し的ツートラが各地で開催されるなど、イーハトーブが直接・間接に果たした役割は計り知れないものがあります。
 なぜイーハトーブがここまで継続できたかといえば、それは間違いなく「主催者・参加者の振る舞いが(行政や警察関係者も含め)地域の方々の理解と信頼を生んできたこと」によるものです。だからこそ万澤会長はことあるごとに「参加者も主催者と同じ気持ちで参加してほしい」と訴えかけているわけで、大会の憲法ともいえる参加規則書のとびらの第4項には大会参加条件として「この大会は、長年にわたる地元の方々のご理解とさまざまな協力、そして実行団員の献身的努力と、スポンサー各位の温かいご支援の上に成り立っていることを理解し、つねに礼節ある行動を取ることを約束します。」と明記しています。守れない人は来ないでください、ということです。
 重箱の隅をつつくような話かもしれませんが、時間前に到着して「早く昼食を出せっ!」というのはけっして礼節ある行動とはいえないのではないでしょうか。たった一人の行動をそんなに拡大解釈して、と思われるかもしれませんね。でも私は感じてしまうのです。最近参加者のみなさんは「特別扱いされている」と思っていませんか?昨年田山で交差点一時不停止事件があってみなさんに注意喚起しましたよね。その方たちの参加をお断りしようかとおもいましたが、まあ、改心するだろうと期待したわけです。
 ところが、今年も自覚に欠けた人たちはいたのです。私は本部周辺のことしか見ていませんが、車検に来た方々のうち会場付近できちんと一時停止をしていた方は少数でした。私はとても不安になったことを覚えています。車検にノーヘルで走ってきた方がいました。公道です。もちろん注意しました。よそのペンションの駐車場に車を停めて車検に来た方がいました。当然本部にクレームがきましたので私が2時間くらいその前に立ちました。そして極めつけは、やはり田山で、おしゃべりして前方不注意のまま国道に進入してきた参加者が、地元のバイクの方とぶつかりそうになったのです! 大会は確かにお祭りです。しかしそれはあくまで地域の方の日常の上に成り立っていることを忘れてはいけないと思うのです。全てが許されているわけではないのです。いまや日本のなかでも貴重な場所・機会となったイーハトーブを存続させていくために、もしあなたにとってもそうだと思うのなら、どうかこのことを理解してほしいと思います。折れそうな心で精一杯のことを書きました。
 (石山洋治・イッシー)

色んな方々が大会の価値を高めてくれました!戻る

 今回、ケン・オクヤマさんが二度目のネリ参加でしたが、私、万澤は前夜祭ではじめてお会いしました。フェラーリの歴代モデルの中でも別格、最高峰の「エンツォ」をまかされてデザインしたという、「出光イーハトーブトライアル」よりもはるかに世界的に有名な方なのに、とても気さくで笑顔の素敵な方でした。イーハトーブトライアルをとても気に入って、「今後10年、スケジュールを入れるように秘書に伝えた」そうですから、今後が楽しみですね。ケンさんは山形県出身ですが、トライアル指導も今回のブドリで優勝した山形の池田進也さんなので、きっとめきめき上達することでしょう。
 岩手県内ですでに放映したイーハトーブトライアル番組の中でも、ケンさんは大きく取り上げられ、のちにYOU TUBE用に再編集、世界にむけて発信されるので、「ケン・オクヤマも出ているイーハトーブトライアル」として大いに知名度が上がるものと期待しています。
 昨年、番組中レポーターとして初参加し、トライアルを知らない人にもわかりやすく魅力をつたえてくれた近藤スパ太郎さんが、今回もヒームカに参加し、ヘルメットにカメラをつけて、クルマが入れない山道の映像を撮ってくれたおかげで、番組中でも迫力のあるシーンが見られます。また、雑誌などでもイーハトーブトライアルを紹介してもらいましたので、スパ太郎さんのおかげでイーハトーブトライアルの情報が広く伝えられることも楽しみです。
 そして、番組の中でもうまく編集されて非常に面白かったのが、クラシックの素晴らしいトップ争いでした。何度もどんでん返しをくりひろげた成田亮、高橋健啓、木村治男の3選手の存在にあらためて感謝したいと思います。おかげでイーハトーブトライアルのレベルが高まり、大会の価値そのものが上がったと思います。(今年のDVDをぜひお買い求めください!)
 もちろん、ゲストライダーとして、前夜祭のデモ、そして大会中のお手本ライディングでみんなを楽しませてくれた黒山健一選手、野崎史高選手のサービス精神はさすがプロと思わせるものがありました。
 他にもツインショックでぶっちぎり優勝の三谷正次選手、古いブルタコで復帰してくれた元世界選手権ライダー、服部聖輝選手のライディングも、トライアルを知り尽くした人ならではのうまさでよい刺激を周りにあたえてくれました。
 そして、もちろん地元の方々に笑顔を向け、仲間同士が笑顔で楽しみ、「笑顔で帰宅」したすべての参加者のみなさんも、大会の価値を高めてくれたのです。
 最後に、献身的な準備作業でこの日を迎えた実行団員、それに24年もの長きにわたって冠協賛を続けて下さっている出光興産株式会社様ほか、協賛各社の方々のおかげで良い大会ができました。
 このように、いろんな方々のおかげで「出光イーハトーブトライアル」の価値が高まったことは、関係者全員の喜びであり、誇りであると思います。あらためて、みなさん、ありがとうございました。

大会の存続を危うくする人の参加は次回からお断りします。戻る

 じつは、大会中に私も見聞きし、その場で注意もしましたし、大会後にも良くない話もいろいろ飛び込んできました。それらはほんの一部の人がやったことですが、悪影響が非常に大きいので、来年からそういう人の参加はすべてお断りしようと決意しました。そうしないと、99%の素晴らしいライダーたちに大きな迷惑がかかり、大会の存続を危うくするからです。
 以下に思い当たる方は、今後、心を入れ替えて態度の良いライダーになるか、それができないなら参加申し込みをしないように!

  • ① 不注意で地元の方の車両と危うくぶつかりそうになった人。(大会中止確定事項です)
  • ② 林道コースを逆走して、他の参加者と危うく衝突しそうになり注意されたにもかかわらず、そのまま逆送を続けた人。(重大事故に直結するので大会規則で禁止してあります)
  • ③ 相互採点であるにも関わらず、手を上げないで誰がオブザーバーかわからない状態で採点をした人。(オブザーバーは他の人から見てわかるように採点しなくてはなりません)
  • ④ 相互採点であるにも関わらず一人で走っていて、それを他のライダーから注意された人。
  • ⑤ たとえ一瞬でも停止=5点というルールを正しく適用せず、他のライダーから注意された人。(こういう人は他のライダーを不愉快にし、楽しみを台無しにしています!)
  • ⑥ 牧草地にあたらしいわだちをつけた人。(地主さんの好意を踏みつけています)
  • ⑦ 昼食場所に提供時間前に到着して、時間まで待つようにお店の人から言われたときに、暴言を吐いた人。(公式通知を読んでない以前に、常識に欠けています)
  • ⑧ 地元のおもてなしを受けたとき、「ありがとうございます」とはっきり感謝をあらわさなかった人。(好意をうけながら、その方の存在を無視している姿勢です)
  • ⑨ 昨年、あれほど問題になった一時停止を、今回もキチンと守らなかった人。(大会中止に直結します)
  • ⑩ そもそも常識に欠けているうえ、規則書も、イーハトーブトライアル新聞も、公式通知も読んでいない、したがって上記のような問題をおこす人。(大会の存続に協力しない意思表明と同じです)

 このうち、①と⑦は大会後すぐに事情を地元の方にお聞きし、謝罪してきました。団員の間でも「あれだけ時間をかけ、大変な思いで準備をしてきたのが、大会の日にこういうことがあると一瞬でパーにされた感じでやりきれない・・」という声があがっていました。
 イーハトーブトライアルは幸いにも36年間続けてこられましたので、地元の方々からもそれなりに信頼されている大会ですが、心無い一人の振る舞いが大会存続を不可能にする可能性はいつでもあるのです。
 大会存続のために、そういう人たちをお断りするのに、私、万澤はなんの躊躇もありませんので、思い当たった方はよろしくご理解ください。

来年は出光協賛25周年記念大会です!戻る

 モータースポーツの歴史でこれほど長く冠協賛を続けていただいた例は、少なくとも日本では他にない・・・と私たちは認識しています。もしかすると、世界的にもないかもしれません。(もし他にあったらぜひお知らせください)思えば、25年前に私が一人で出光興産本社を訪ね、話を聞いていた若い担当課長さんが「わかりました。やりましょう!」と言ってくださった縁がここまで長く続くとは・・ただひたすらありがたい限りです。
 続いた理由のひとつは「地元とともに」という、出光興産の社是と、この大会の姿とが合致しているから・・というふうにお聞きしたことがあります。
 昨年の前夜祭では天坊会長がじきじきに壇上から「この大会が続くかぎり出光は支援します」とおっしゃられたのには、こちらも身が引き締まるおもいでした。そのありがたいお言葉に応えるためにも、私たちはよりよい「出光イーハトーブトライアル」を目指して、来年こそは私たちの思い通りに「清々しく、楽しい岩手のスポーツ観光」としての大会を実現したいと思います。大会規則書にもあるように、すべての参加者は私たちと思いを共にして、世界一の大会の価値を高めてもらいたいと思います。
 では、また来年、8月の岩手でお会いしましょう! (萬爺)

編 集 後 記戻る

 大会にご参加いただいた選手の皆様、大変お疲れ様でございました。途中、雨にあたる場面も見受けられましたが、全体的には晴れた中で開催できて一安心しております。
 さて。今大会におきましても参加選手の皆様をはじめ、出場されていない方からも義援金を頂戴いたしました。誠にありがとうございました。その結果、合計で「756,000円」が集まりました。その金額を等分した額「189,000円」を野田村、普代村、田野畑村、岩泉町にお送りいたしましたので、ここにご報告させていただきます。
 最後に、このイーハトーブ新聞第三号と一緒に大会アンケート用紙を同封させていただいております。出光イーハトーブトライアル大会をより良い大会にしていくために、何かお気づきの点がある方、ご意見がある方は(もちろん大会参加の感想のみでも大丈夫です)是非とも記入いただき、事務局までお送り下さい。なお、メールでも同様のアンケートフォームをお送りしておりますので、そちらから回答済みの方はアンケート用紙の返信は不要でございます。何卒よろしくお願い致します。
 それでは、また来年もたくさんのご参加お待ちしております。 事務局 成田